相談の流れ

1 高齢者(福祉問題)

高齢の父が認知症になり身体介護も必要になってしまいました。今後どのように介護するべきか,施設に入所するには,どうするべきなのかも分かりません。
本人に代わって契約等を行う制度として後見人制度があります。ただ,親族や弁護士を後見人に選任するだけでなく,本人や家族にとってどのようなケアが最善なのかを継続的に考えなければなりません。
当事務所では後見申立はもちろん,経験豊富な後見人として公的機関(役所の介護担当者)や地域包括センター,各種福祉施設とも連携し,本人の権利や家族の資産確保,介護体制の検討,ケアマネージャーや介護施設との協議交渉等も行います。

高齢の母(要介護4)が有料老人ホームに入所しましたが,入居権利金が高額であったにも拘わらず,月額の使用料が不透明なものが多く,施設介護体制に不信感を持っています。また,この施設では近時,転倒事故があったり,ヘルパーが入所者を叩いたり,暴言を吐いたりと言った噂も聞きます。
急激な高齢化社会に伴い,介護施設(特に,費用負担の少ない特別養護老人ホーム)が足りていないことから,民間の介護施設が急増しています。もちろん,優良な施設も多いのですが,中には利用者への説明が不十分なケースや,介護スタッフの人員不足,教育不足から事故につながりかねない危険な施設運営が存在するのも事実です。
当事務所では,当該施設の契約関係(重要事項説明)のリーガルチェックから,施設の調査,介護スタッフやケアマネージャーとの交渉,関係機関(監督官庁)への相談等多角的な視点からより良い介護環境へのアプローチを行います。弁護士が介入することで施設への監督や牽制にもなりますし,家族は不要なストレスから解放されることができるのです。また,残念なことに事故が起こった場合には,原因の調査や施設側との交渉はもちろん,場合によっては医療過誤に準ずるような訴訟提起まで対応します。

2 子ども(教育問題)

子ども(中二男子)が学校に行きたがりません。先日,顔に傷を付けて帰宅しました。もしかしたらいじめにあっているのでしょうか。担任の先生に相談しましたが対応にも不満です。
子どもの心はデリケートです。直ちに「いじめ」と決めつけて学校に直談判することで事態が悪化することもあります。
当事務所では,まずは親子からの詳細なヒアリングを基に状況を整理し,学校や他の生徒,保護者に対するアプローチを検討します。もちろんいじめ等の事象があった場合には,毅然とした対応をします。子どもの学校生活はまだまだ続きますので,長い目でトラブル等に対応しなければなりません。

高校生の子どもが部活動(ラグビー部)の練習中に後遺障害が残るほどの大怪我をしてしまいました。危険なスポーツであることは承知ですが,学校や監督(顧問)には責任を追及することはできないのでしょうか。
学校(特に部活動)の現場は閉鎖的な部分社会であり,一般的なルールや常識が通じないかのような印象を持ちます。しかし,大切な子どもを預ける以上,水泳や柔道,ラグビー等危険なスポーツ活動において,学校や顧問に高度の注意義務(安全配慮義務)が発生するのは当然です。
当事務所では,まずは事故当時の状況を細かく調査し,損害との因果関係を検証します。また,損賠の填補状況(各種保険や日本スポーツ振興センターの災害共済給付等)を確認し,教育委員会や学校法人との間で,損害賠償に関する交渉を行います。当然のことながら,二度と重大な事故が発生しないように,学校長は勿論,顧問教師や監督に対する聴取調査や意見申述もするべきです。

3 男女問題

夫の借金と浮気が原因で,2歳の子どもを連れて離婚することになりました。慰謝料や養育費の話をすると,夫が逆上して話になりません。どうすればいいのでしょうか。
子どものいる夫婦の離婚では,慰謝料,財産分与,親権,養育費,面会交流,年金分割…とても沢山の問題を解決する必要があります。離婚は結婚の10倍のエネルギーが必要です。特に,身体的感情的な対立(相手方に不貞やDV等)があるケースでは,当事者間で話し合うことは極めて困難です。しかし,今後の生活を考えると,財産分与や慰謝料,養育費は必ず権利を確保するべきです。
当事務所では,離婚に関する一切の交渉を受任しますので,交渉窓口は全て弁護士になります(依頼者様が配偶者と連絡を取ることはありません)。また身体的DV等の深刻な状況においては母子の緊急保護や保全処分も検討します。その上で,相手方と交渉がまとまるのであれば,公正証書等で将来の権利を確保します。また,当事者間交渉ができない場合には,速やかに家庭裁判所の調停制度を利用します。家庭問題について裁判所を利用することに抵抗がある人は少なくありませんが,経験豊富な弁護士が代理人としてフォローすると,確実に迅速な解決を図ることができます。

12歳年上の彼と同棲しており,半年後に「結婚しようと」と約束しました。ところが結婚式の打ち合わせを始めたあたりから,彼から暴言を浴びせられるようになり,時には物を投げられることもあります。これってDVなのでしょうか。今になって婚約解消すると慰謝料とか払わないといけないのでしょうか。
近年相談が増加している案件に,夫婦間暴力の他に同棲中のカップルのトラブルがあります。「結婚してないのだから別れればいい」というほど単純な問題ではなく,ストーカー防止法やDV防止法の適用範囲が拡大されるなど社会問題化しています。
当事者である男女間にはもともと恋愛感情があるだけに,現状分析できないケースが多いことから,当事務所では,まずはこうしたデートDVの背景事情を聴き取り,単なる若いカップルの痴話ケンカなのか,深刻な状況なのかを客観的に分析します。仮に,婚約を解消した方が適切な場合には法的に防禦する方法(適切な解消方法等)を提案しますし,今後DVがエスカレートする危険性がある場合には,警察との連携や緊急保護等の手段も講じます。

4 遺言相続

今年喜寿を迎えましたが,既に他界した夫の残した我が家があるくらいで大した財産もありません。ただ,子ども達はみんな遠方に住んでいるので,もしもの時が心配です。最近「終活」という言葉を聞きますが,私も何かしておくべきでしょうか。
誰しもいつまでも元気で暮らしたいものですが,やはり確実に「その日」は来てしまいます。元気な間に,その日までの生活,つまり介護が必要となった場合の対応,認知症になった場合の財産管理方法等についてエンディングノート等を作成し,子どもや近親者とよく話しておくべきです。また,弁護士の経験上,相続問題は誰の身にも起こりますし,遺産相続は遺産が少ないほど揉めます…夫名義の不動産等も相続トラブルの原因になりやすい遺産です。
当事務所は,高齢者の「終活」を支援します。ご自身の老後についても,子どもに残すべき資産とこれから使うべき資産を分け,万一認知症や要介護状態になった時に備え,財産管理契約や任意後見手続等のご提案をします。また。遺言書の作成はもちろん,死後どうして欲しいかを形に残しておくと,残された者同士のトラブルは最小限で済みます。もちろん,次の世代である弁護士(40代)が遺言執行者や財産管理人として遺言書や大切な財産を管理することもできます。

既に両親は他界していますが,先日,子どものいない伯父が亡くなりました。その後,財産管理人を名乗る人から「生前に面倒をみた兄弟がいるので,その人に遺産を全部譲って欲しい」との連絡がありました。遺産分割協議書に実印を押した方がいいのですか。
子どもや親のいない人が亡くなると,兄妹が相続します。そして,先に兄弟が亡くなっていればその子ども(甥姪)が代襲相続しますが,兄妹の多い時代(団塊より前の世代)では,法定相続人の確定が容易ではないケースもよくあります。もちろん,遺産を相続する,しないは本人の自由ですが,まずは遺産の総額や法定相続人を確認し,適切な判断材料の下で遺産分割協議を行うべきです。
当事務所の弁護士は,被相続人の法定相続人を速やかに調査した後,遺産の開示請求や遺産分割協議の交渉等,弁護士にしかできない代理業務に定評があります。当事者間で話がまとまらない場合には,速やかに家庭裁判所の遺産分割調停を利用します。家庭裁判所に抵抗がある人も少なくありませんが,親族間に対立が生じた場合には,公的な機関を通した方がむしろ円満に解決するようです(弁護士が代理しているため,親族間の感情的対立が最小限で済みます)。また,税理士業務もおこなっておりますので(国税局長通知弁護士),相続開始から相続税申告までトータルでお手伝いができます。

5 組織統治

中小企業の経営をしていますが,昨今では,従業員から「上司からパワハラされた」「未払残業代を払って欲しい」「有給休暇を買い取って欲しい」等戸惑う申し出が多くなりました。安心して経営に集中したいのですが。
労働者の権利意識が強くなっているのは時代の流れです。近年改正が繰り返されている労働法規も労働者を保護する法律ですので,経営者にとっては困惑することが今後も増えそうです。特に組織の人的トラブルの発生は経営上で大きな問題に発展しがちです。
当事務所では,組織全体の状況,即ち,業務内容はもちろんのこと,資金的リサーチや人的リサーチを含めて総合的に把握し,それに沿った統治体制を提案します。例えば,必要に応じて就業規則を改定し,裁量労働制や各種手当,休暇,残業代等に関する規定を整備します。こうした作業を行うことで組織の弱点(資金の問題なのか,人材の問題なのか)が見えてきます。

中小企業の契約社員(1年契約)として働いて3年になりますが,有給休暇を取らせてもらったことがありません。サービス残業も日常的になっています。ワンマン社長がすぐに怒るし,リストラに怯える私は立場が弱いので泣き寝入りするしかないのでしょうか。
上記Aで回答した通り,労働者の地位は年々強化される傾向にあります。契約社員の更新制限に関する法改正や,未払残業代に関する労働審判件数の増加などはその表れです。
当法律事務所は,企業側の顧問や就業規則・給与規定等も作成しており,組織コンプライアンスを積極的に提案する事務所ですので,ある意味で経営者サイドの状況判断に優れています。これは,労働者にとっては相手(雇用者)のウィークポイントが分かるため,例えば「未払残業代」「不当解雇(雇止め)」「セクハラ・パワハラ」の交渉では優位に立てます。経営者に対する有給休暇の適切な申請方法も心得ております。もちろん,当事務所は経営者側でも労働者側でも「困っている方」の味方です。